3Dplaneのノウハウ
「ゴルフの幾何学」7.シャフトの硬さと身長
シャフトの硬さを選ぶときにヘッドスピードを基準にしていますが、果たしてこれは、正しいでしょうか? シャフトの硬さは、ヘッドを装着した時に振動数で計測されます。振動数と言うことは、インパクトのヘッドスピードでなく、シャフトが回転する角速度であることは、明らかです。角速度とは、単位時間当たり角度が何度回転したかと言うことです。角速度に回転半径は、関係ありません。しかし、回転半径が大きくなれば、回転の円周上の運動速度は、速くなりますが、角速度が同じなら、シャフトの振動数は同じです。円周上の運動速度がヘッドスピードに相当します。確かに回転半径が同じならヘッドスピードが速い方が角速度も大きくなります。しかし、ヘッドスピードが同じでも、回転半径が小さくなったら角速度が大きくなるのです。クラブの回転半径が身長に比例すると考えると同じヘッドスピードでも身長が低い方が、より角速度が大きくなるので、振動数が多くなり、より硬いシャフトが適合することになります。 45インチのドライバーの場合、Rで約240cpm(1分当たりの振動数)、Xで約280cpmです。XはRの約1.17倍の振動数と言うことになります。回転半径が身長に比例すると考えると、角速度は、身長に反比例しますから、身長160cmのゴルファーの角速度は、190cmより約1.19倍の角速度となります。つまり、同じヘッドスピードでも、身長190cmのゴルファーがRシャフトが適合する場合、身長160cmでは、Xシャフトが適合することになります。実際は、クラブシャフトの長さは、そんなに違いませんから、そんな大きな違いは、ないかも知れません。しかしながら身長の違いによりクラブ軌道の円弧の大きさが違うことは、明らかです。 従って、ヘッドスピードだけを基準にシャフトの硬さ(クラブの振動数)を決めるのは、おかしいと思われます。実際、身長が低くてヘッドスピードが速いプレーヤー、例えば、倉本昌弘やイアン・ウーズナムは、通常のXシャフトより更に硬い、非常に振動数の高いシャフトを使っていたと聞いています。
最終更新日:2021-03-29 20:55:12