やってみっか奔舎の創業ストーリー
マルシェで竹炭を売る ーやがて起業へー
テーマ:起業したきっかけ
2015年3月,地元の宮城県加美町で手づくり市(加美マルシェ)が開かれたので,思い切って竹炭を展示し,販売してみました。すると,必ずしも多くはありませんでしたが,そこそこ売れたのです。 「竹炭は売れる!」 それを体感したのでした。 そして翌月,同じく地元で開かれた「陶芸の里春まつり」にも出展したところ,思いがけず町長さんが立ち寄ってくれて,しばし竹炭談議をすることになりました。 町長さんは,私が薪ストーブを使って製炭していることに興味を持ったようで, 「町では今度,起業者を支援する仕組みを作るので,それに応募したらどうですか」 と勧めてくれました。 (起業?) そんなことを考えたことはなかったのでピンと来なかったのですが,町長さんからお声を掛けていただいたことを無視するのも失礼だと思い,後日町の役場に出向いて職員の方に事の経緯を話し,私の竹炭づくりが新しい支援制度の対象になり得るのかどうか感触を伺ったのです。そうしたら, 「採択される可能性がありますので,応募してみてください。」 との返事。これには正直,私の方が面食らってしまいました。ヒョウタンから駒じゃないですが,ビール瓶の栓を開けたら中からライオンが飛び出してきたようなものです。ビックリ! どうするか悩みましたが,これまでのいきさつ上,何もしないということも選択しにくいので,駄目元で応募することにしました。 「やってみっか!」 これは私の口癖ですが,それが心の中でつぶやきました。迷ったら「やってみっか」です。そしてこれが後日,私の屋号「やってみっか奔舎」になったのです。 役所あての申請書ですから,いろんなことを整理して,簡潔明瞭に「起業」のことを書かなければいけません。そして,その作業の中で,これから私が竹炭をどう作り,どうやって売り,その活動が地域社会にとってどんな意味があるのかなどを考え,整理しました。本来ならこのような考えがまずあって,それから町に申請するのが筋ですが,成り行き上前後してしまいました。でも,この作業は後々とても役に立ちました。いわば起業理念とか経営計画を固める作業だったからです。 何とか案を作り,役場に持っていって指導を受け,修正するといった作業を繰り返してやっと申請書が出来上がり,受理されました。そしてしばらくたって町から呼び出しを受けました。 「町長がお会いになります。」 とのこと。これまたビックリ!。要は町長自ら最終審査に臨むということのようです。 面接は1時間ほどに及びましたが,町長さん自ら竹や竹炭に関する様々な思いを語るというようなこともあってなごやかに進行し,何とか無事に済みました。そして後日,支援することに決定したという連絡を受けたのです。 その連絡を受け,うれしく思ったのはそのとおりなのですが,半分は,「これはえらいことになった」という気持ちでした。町の支援を受けるということになれば,これまでのように遊び半分で竹炭を焼くわけにはいきません。「起業」の名にふさわしいものにしなければならない。責任感というか,プレッシャーというか,何やら重たいものを背負ったような気分になりました。 ともあれ,これが「やってみっか奔舎」の「起業」までのストーリーです。
最終更新日:2017-11-21 21:22:16