やってみっか奔舎のノウハウ
「日本一清潔な竹炭」のできるまで(7)
薪ストーブに羽釜を乗せて竹炭を焼いている写真です。羽釜の中にカットした竹を入れ,特注の鉄製のフタを被せています。フタには煙を出すための小さな煙突が付いていて,ストーブに薪を入れて燃やすと,やがてここから煙が出てきます。ストーブの煙突からの煙と羽釜の煙突からの煙の二つが出てくる姿がかわいくて気に入っていました。 加熱後4時間くらいすると煙がほとんど出なくなり,それが竹が炭になったサインですので薪の投入をやめます。一晩かけて冷却するとめでたく竹炭ができるという寸法です。 この方法は,簡単に竹炭が焼けるという点で良いのですが,鉄製のフタに欠点があって,竹炭の品質はあまり良くありません。フタの外の気温(例えば20度)と羽釜の中の温度(例えば200度)の落差が大きいため,フタが鉄製だとその内側に煙が液化したものが付着し,それが出来つつある竹炭に落下するのです。その結果,出来た竹炭にはタール状の膜のようなものが付着し,見た目が悪くなるというわけです。そんな反省から,現在(2017年)は,鉄製のフタを使わず,ケイカル板(耐火ボードの一種)を使っています。これだとタール化が少なくて品質が向上します。また,羽釜をやめて寸胴鍋を使うようになってからは,竹材とケイカル板の間にモミ殻を入れたところ(モミ殻をフルイに入れてサンドイッチ状態にする),更にタール化が抑制されて品質が向上しました。 ちなみに,竹炭を焼いている羽釜の右側にあるものは特注の鉄製鍋であり,これに水を入れ,炭を焼きながら沸騰させて,苛性ソーダを少し入れた上で約1時間竹を煮ると竹の油抜きができるものです。生の竹だとカビが生えやすく,表皮の汚れが気になりますが,油抜きをすると竹の余分な水分などが無くなってカビの発生を抑えられるほか,表皮もきれいになります(お湯から出してからウエスなどで拭き上げるため)。つまり,この方式だと,炭を焼きながら竹の油抜きもできるわけです。
最終更新日:2017-11-27 20:37:51