山田社会保険労務士事務所のブログ

社会保険労務士×指導教育責任者として

私は10年近く、警備会社の専務取締役として経営に携わりながら、選任指導教育責任者として現場と人材育成の両面に関わってきました。指導教育はもちろん、施設警備・交通誘導警備・雑踏警備の現場対応、人事対応や給与計算まで幅広く担当してきました。取得資格も1・2号指導教育責任者、施設警備2級、交通誘導警備2級、雑踏警備2級と、一通りの基盤は押さえてきたつもりです。 業務の中で最も大きな負担となったのは、夜勤や24時間体制のシフト調整と給与計算でした。警備業特有の複雑な勤務体系を数字で整理するのは容易ではなく、残業や休日労働の算定も常に頭を悩ませる課題です。ですが実際に最も精神的にこたえたのは「人」への対応でした。 休日に家族と出かけている最中や、子どもを寝かしつけている最中、あるいは深夜2時。電話が鳴り響き、「具合が悪いので早退したい」「人間関係で悩んでいる」「顧客先でトラブルがあった」といった相談が次々と入ります。時間も場所も選ばない対応は、役員や責任者にとって避けられない現実でした。従業員からすれば、上司の休みは「自分の都合」でしかなく、安心して働くために責任者が応じるのは当然と考えられてしまうのです。 こうした経験を通じて強く感じたのは、従業員を支える責任者自身もまた「働く人」であるということです。昨今の法令や社会の流れは従業員保護を重視する傾向が強く、一方で経営者や責任者には大きな負担がのしかかっています。ですが、責任者や経営者が疲弊しきってしまっては、従業員の悩みを受け止めることも、健全な経営を続けることもできません。 社労士の役割は、働きやすい職場環境を整えること。その対象は従業員だけでなく、中間管理職や経営者も含まれるべきだと私は考えています。 そして何より、私は社労士として「従業員の味方」であるだけでなく、経営者や中間管理職、責任者の方々の味方にもなりたいと考えています。どうすれば彼らの負担を減らし、より効率的で健全に仕事ができるのか――これは私がずっと考えてきたテーマです。 その一つの答えが「相談窓口」の設置です。従業員と責任者の間に入り、クッションのような役割を果たすことで双方の負担を軽減できます。さらに、定期的なヒアリングやアンケートで現場の声を可視化し、管理職や経営層が早めに課題を把握できる仕組みを整えることも可能です。 加えて、警備業という特殊な業界には数多くの課題があります。勤務制度の複雑さ、離職率の高さ、人材定着の難しさなど、その一つひとつに丁寧に向き合い、会社に寄り添ったサポートを提供していきたいと強く思っています。

最終更新日:2025-09-17 07:44:28

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