エニィタイム行政書士事務所のノウハウ
経営者に必須の法律知識②~契約の成立~
「契約」とは、原則として一方当事者の「申込」に対して、他方当事者の「承諾」の意思表示の合致によって成立します。 文字で書くと難しく思えますが、実は皆様も「契約」行為を毎日のように行っているんです。 例えばコンビニで商品を購入する行為を例にとって説明してみましょう。 お店側は値札をつけることによって、「このパンを●円で売りたいです」という意思表示を行います。(=この行為が「申込」となります) これに対してお客様さんが「●円でこのパンを購入しよう」とレジに持っていきます。(=この行為が「承諾」となります) この瞬間(=「申込」と「承諾」の意思表所の合致した瞬間)、パンの「売買契約」がお客様とお店の間で成立します。 これが、「このパン1個を100円でください」と値札にあることに対して、お客様側が「このパンを10円でください」や「このたばこを100円でください」では、「申込」と「承諾」の意思表示が合致しておりません。よって、有効な「契約」は成立しないということになります。 「契約」の成立についてもう1点重要な点それは・・・ ”口頭でも「契約」は成立する”(=契約書作成することが「契約」成立の要件ではない) コンビニで商品を購入する際にいちいち契約書を取り交わしていないことがその証拠です。 ただ、口頭で「契約」が成立するというのは理屈上の話で、口頭での契約の場合、録音・録画でもしていない限り「申込」と「承諾」の意思表示の合致を確かに証明することは困難です。 大切な「契約」をされる際は書面で行う方がより安心・安全な取引ができますので、書面での「契約」をオススメいたします。 ちなみに契約成立ですが、 ①対面の契約(個人間)の場合 ⇒「承諾」の意思表示が相手方に到達した時に成立 ②対面の契約(株式会社のような商人間)の場合 ⇒「申込」を受けたときは、遅滞なく「申込」に対する諾否を通知しなければならず、通知を怠った場合は「承諾」したものとみなされます。(商法509条) ③郵便での契約の場合 ⇒「承諾」の意思表示を相手方に発信した時に成立(民法526条) ④電子メールでの契約の場合 ⇒「承諾」の意思表示が相手方に到達した時に成立(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律4条) なお、電子メールにおける「到達」とは、メールサーバーに解読可能な状態で記録された時点と言われています。よって、メールサーバーが故障していて記録されていなかった場合は「到達」は認められず契約は成立していないということになります。 ⑤WEB上での契約の場合 ⇒「承諾」の意思表示が相手方に到達した時に成立(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律4条) よって、「申込」に対して「お申込みありがとうございました。申込を承りました」と「承諾」する旨の表示が申込者の画面に表示されれれば契約が成立することになります。
最終更新日:2020-02-04 21:20:46